京都伏見の招德酒造です。
古今集に、
『秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる』
という歌がありますが、人々は昔から秋の訪れに敏感で、暑く辛かった夏がようやく過ぎたというほっとした気持ちと、何か寂寥とした気配が近づいている不安、そして一刻の美しい季節に心を騒がせるのは今も変わらぬ心情ですね。
招德の蔵でも、本年の酒造りに向かって準備が始まっています!
夏の間、静かだった蔵もにわかに目覚めたようで、緊張が高まっています。
ところで、皆様は『BY』ってご存知ですか??
この言葉、日本酒の世界ではよく使われる表現なんです。
BY=Brewery Year で、”醸造年度”のこと。
例えば「H20BY」だと「平成20醸造年度」ということになり、平成20年7月~平成21年6月までに作られたお酒を指します。
一般の市場ではあまり見かけませんが、こだわりの地酒を揃えてあるような居酒屋さんに行くと、ラベルに「○○BY」と書かれた日本酒が置いてあるのを見かけることがあります。
ワインにヴィンテージがあるように、日本酒もその年々による味の違いを楽しんでもらいたい、そんな蔵元の思いが感じられるお酒ではないかと思います。
「この銘柄の、○○BYのが最高にうまかったな~」なんて口にしだしたら、あなたはもうかなりの日本酒通です!!