石川白山麓の萬歳楽です。
5月28日(土)から6月5日(日)にかけて、晩植五百万石の田植えが行われました。
初日、鶴来地区の天候は曇り空で気温も低く肌寒い中での作業でしたが、丁寧に育てられ植えられた苗は、濃い緑色をしっかり主張し、力強くなんだか頼もしく感じられました。
昨年のような猛暑ではなく気温が高すぎない事を願いたいものです。
【五百万石】
石川県で最も多く生産されている酒米である五百万石は、昭和20年代に鶴来郷農協で栽培が開始され、現在、JA白山を代表する酒米として約2万俵の生産量があります。
●味の特徴
キレ上がりのイイ酒質になるモノが多いようです。
濃厚とか熟成よりも、サッパリしたさわやか感があります。
<晩植>とはバンショクと読み、稲を通常より遅く植える時に言う言葉です。
辛夷(こぶし)の花がさいて十日ほどして苗代に種籾(たねもみ)を播いたものだ、と聞いた事がありますが、今は自然の都合に関係なくゴールデンウィークに田植えを強行しています。
結果、登熟期(※1)が暑いさかりとなって、気温の(※2)日較差不足のため「米」本来の味が生まれなくなりました。
5度以上の日較差は必要のようです。
農家の方々も実は晩植の効は知っていたようですが、台風被害の心配や農作業の日程もあってなかなか本格的に推進できませんでした。
しかし今は態勢整い10ヘクタール以上の作付けが実現しています。
品質改良も必要と思いますが、「稲」そのものの都合にあわせて育てた先人の知恵も大切ではないでしょうか。
※1 登熟期(とうじゅくき) 米が実を結ぶ時期
※2 日較差(にっこうさ) 一日のうちに生じる気温差